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「ジビエ」で街おこし 中国5県で広がる [広島県]

イノシシ、シカなど野生動物の肉「ジビエ」活用を軸に地域振興や害獣駆除の促進を進める動きが中国5県で広がっている。広島市では市が補助金を出して新たに処理場を整備したほか、島根県では大手外食チェーンがジビエを使用したご当地メニューを開発。食の観光資源として訪問客の呼び込みにつなげるほか、農作物の損害発生を抑える狙いだ。

 広島市西部の山あいにある湯来町の猟師ら35人はジビエ処理施設「湯来ジビエ ぼたん・もみじ」を開いた。3月以降、本格的に運用を始める。処理するのは主にイノシシを想定。11月~2月の狩猟期間だけでなく、3月~10月も害獣駆除として仕留められた動物を受け入れる。

 猟師らで構成する運営団体「湯来ジビエの会」が獲物を買い取り、旅館や飲食店に販売する。当面の価格はイノシシなら内臓を除いた状態で1キロ600円で買い取り、皮や骨を除いて1キロ4000円で販売する。

 整備費用約300万円のうち、広島市が「中山間地域お宝資源掘り起こし事業」として補助金を100万円出した。同会の山根正代表は「地場の特産品として売り出したい」と話す。

 おおち山くじら生産者組合(島根県美郷町)は昨年12月、カレー専門店の「カレーハウスCoCo壱番屋」と共同でイノシシ肉を使った「おおち山くじらカレー」を開発、島根県内の全店舗で売り始めた。同商品の販売は一定期間後に終了するが、イノシシ肉を使った別メニューのカレーを開発中で、数カ月後に新商品として投入する予定という。

 おおち山くじら生産者組合は近く、イノシシ肉のソーセージのネット販売にも乗り出す。同組合は約10年前からイノシシ肉を商品化しており、昨年は年間約400頭を加工した。

 このほか、岡山では岡山市や赤磐市などが含まれる岡山県備前県民局は「おかやまジビエ」の名前で拡販する。2013年度に始めた、提供店を回るスタンプラリーを14年度は期間を延長。参加店も増やしている。

 鳥取県では13年、ジビエ関連団体が連携する全国初の組織として「いなばのジビエ推進協議会」を設立。狩猟、食肉処理加工、飲食店など50団体が販路開拓のほか、地元料理店のジビエフェアなどを開き、ジビエ普及を進めている。また県中部の倉吉市では、気候や個体による肉質のばらつきを抑える目的から、ワナで捕獲したイノシシを一定期間飼育した後、食肉処理して出荷する牧場施設が14年に稼働している。

 ジビエは畜産による食肉と違った風味を持つ特徴があり、知名度が上がりつつある。各自治体も害獣駆除の促進につながると判断、処理場の整備や加工食品の開発などに力を入れている。

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