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イノシシ捕獲ツアー 鋸南町開催へ [千葉県]

鋸南町は、農作物を掘り返すなどして農業に悪影響を与えているイノシシの増加を逆手に取り、わなを仕掛けたり、ジビエ料理を学んだりするエコツアーを開催する方針を決めた。農村集落の新たな魅力を山のベテランらが伝授する。町は都会の大学生ら若者に受講を呼びかける方針だ。南房総地域では、15年前まで生息していなかったイノシシの被害が深刻化している。同町での農業被害は2002年頃から出始め、12年度には野生鳥獣全体の被害額が4200万円に達した。イノシシ捕獲数は13年度に562頭、14年度は700頭を超えそうだという。

 「イノシシに押しまくられるだけでいいのか」。町の若手職員が抱いた疑問から町の活性化に利用する検討が始まった。知識、対策ノウハウは猟友会などに蓄積されており、講師の人材は豊富だった。

 計画されているツアーは2コース。「けもの道トレッキングコース」は、山を歩き、足跡をたどってワナを仕掛けるまでを学ぶ。料理までの手順を学ぶ「解体・ジビエ料理堪能コース」もあり、食肉処理業者や料理の専門家にも講師を依頼する予定だ。

 ツアーは新年度から春と秋に開催。参加者として、町内での就農や週末農業を希望する都市生活者も視野に入れ、移住の誘致も狙う。町は具体的な計画が決まり次第、問い合わせ窓口を開設する予定。白石治和町長は「講師陣は粒ぞろい。“イノシシ大学”の開校だ」と話している。

 
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