シカ肉販売 イオン11店で [長野県]

県内産シカ肉の販売が6月5日から、イオンの県内11店舗で始まる。県によると、大手スーパーでシカ肉を通年販売するのは北海道以外では初めて。農業に被害を与えるニホンジカの駆除が進む中、シカ肉の消費拡大に一役買いそうだ。
シカ肉は高タンパク低カロリーで注目を集めているものの、加工業者と飲食店などが個別に取引するのが一般的だった。2012年度の捕獲数3万3668頭のうち、食肉になったのはわずか4・6%の1564頭(12・3トン)。大半は土に埋めるなどしていた。県は、食肉の生産量を17年に27トンに倍増したい考えだ。
県は昨年から、衛生管理基準を満たした施設で処理されたシカ肉を「信州産認証シカ肉」として認める制度を始めており、商品に付いた個体認証番号から、捕獲日や場所を確認できる。
店頭に並ぶのは、ロース(200グラム1280円)やモモ(同)など認証肉の冷凍3点と、ソーセージやカレーなどの加工品11点。信濃町在住の作家でジビエ事情に詳しいC・W・ニコルさんの料理レシピを置く。
イオンリテール(千葉市)は「認証制度で履歴管理されている安心感も決め手だった」と説明。阿部知事は26日の記者会見で、「ジビエ振興を図る上で大きな進展だ。ハンター育成など、安定供給ができる体制づくりも進めたい」と述べた。