有害鳥獣捕獲 高校生箱わな製作[岐阜県]
全国で野生のシカやイノシシによる食害被害が深刻化する中、岐阜市本荘の県立岐南工業高校機械科の3年生6人がこれらを捕獲する鉄製の箱わな製作に取り組んでいる。今年12月までに3個を目標に製作、完成したわなは県内の山林に設置され、実際に活用される予定だ。(黒木健太朗)
有害鳥獣の捕獲に取り組む揖斐川町の建設会社「所産業」(所竜也社長)と、岐阜大学応用生物科学部で鳥獣対策を研究する森部絢嗣じゅんじ助教(35)が、狩猟に関わる人材を増やすためにも、まずは若者に関心を持ってもらおうと企画。総合学習の授業で、課題研究として実施している。
製作する箱わなは、縦横1メートル、奥行き2メートル。餌を使ってシカやイノシシをおびき寄せ、わなの中に張った釣り糸にひっかかると、鉄製の扉が下りる仕組みで、資材は所産業の廃材などを利用した。
4月の初授業では、森部助教が生徒らに県内の鳥獣被害の現状を講義。その後の授業で、2人が用意した見本を基に図面の作成から資材の切り出し、溶接まで進んだ。今後は溶接作業とさび止めの塗装を行い、7月までに1個目を完成させ、所社長らが揖斐川町内の山林に設置する予定という。
県内の有害鳥獣による農作物被害額は2012年度で4億3348万円に上る。10日の授業で火花を散らしながら溶接を行った安田拓巨たくみさん(18)は「自分が作ったわなが被害の減少につながるのはうれしい」、所社長は「ほかの工業高校にも取り組みを広げていきたい」と話した。
2014年06月11日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
転載元:http://www.yomiuri.co.jp/local/gifu/news/20140610-OYTNT50156.html