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シカ食害防げ。富大・氷見市研究室が県境調査

全国各地でニホンジカが急増していることを受け、富大理学部・氷見市連携研究室は今 年から、ニホンジカの生息状況の本格調査に取り組む。近隣県でシカによる農作物被害が 増加しており、富大は県内で被害が広がる前に、県境の氷見市を中心に個体数や生育範囲 などを把握し、地域の環境保全に役立てる。

 富大大学院理工学研究部の山崎裕治准教授が取り組む。学生らが氷見市の山林を歩いて 調査し、足跡やふん、体毛などの痕跡を採取し、研究室に持ち帰ってDNAを解析。個体 数や移動範囲などを特定する。

 3、4月に氷見市惣領で調査を試みた際はニホンジカの痕跡は見つからなかったものの 、県西部森林組合によると「ニホンジカが植林のスギやヒノキの芽を食べたとの目撃情報 がある」という。

 県自然保護課によると、富山には縄文時代からシカが生息していた。近年、狩猟数の減 少や、山林の荒廃で餌の草木が増加したことなどにより、全国で個体数が増えている。県 内では農作物被害は確認されていないが、2003~08年度までは年間10頭以内で推 移していた捕獲頭数が09年度は38頭と大幅に増加し、12年度は48頭となっている 。今後、個体数増加と被害が予測される。

 石川県ではニホンジカの福井県からの「越境」を阻止するため、県境約24キロに侵入 を防ぐ金網の柵を設置する全国初の対策に今年度から乗り出す。福井県内では1990年 以降、シカの数が爆発的に増え、現在は推定3万2千頭が生息。捕獲件数は90年度の6 6件に対し、2010年度は8475件に急増しており、ニホンジカの生息範囲は北上し ているとされる。

 山崎准教授は「徐々に調査範囲を広げてデータを蓄積し、富山の自然環境を守る助けと なりたい」と話した。

 ニホンジカ 日本列島や東アジアに生息するシカの一種。エゾシカやホンシュウジカな どはニホンジカの亜種で、国内に推定で計325万頭が生息している。近年急増傾向にあ り、各地で農産物や樹木への食害、貴重な高山植物が食べ尽くされる被害が深刻化してい る。

2014年6月11日

転載元:http://www.toyama.hokkoku.co.jp/subpage/T20140611202.htm

 
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