鹿の活用法、祭りで紹介 伊那市高遠の公園で15・16日[長野県]
食害が深刻化している鹿の活用法を紹介しながら、鹿に関わる人や興味を持つ人の交流を図る「第1回鹿祭り」が15、16日、伊那市高遠町の公園「花色たかとおポレポレの丘」で開かれる。鹿の「鳴き声と足跡以外は全て使う」という「鹿アーティスト」の半對屋雀斎(はんづいやじゃくさい)さん(35)=高遠町=が企画。県内外の賛同者が鹿を使った工芸品や料理などの計約20店を出す予定で、鹿の解体の実演もある。 半對屋さんは東京出身。2年前に高遠町へ移住し、鹿の解体や鹿の骨・皮などを使った工芸品を制作している。わな免許も持つ猟友会員で、昨年は100頭ほど解体した。 ニホンジカが増えている上伊那地方では、県や各市町村などが食害対策を試行錯誤している。委託を受けて捕獲に取り組む猟友会の担い手不足や、捕獲した鹿をどう活用するかといった課題もある。 半對屋さんは「抵抗のある人がいることも把握しているが、捕獲している現状があることはどうしようもない」とする。「キノコを料理したり木を切り出したりするのと同じで、解体という行為も自然の一部と思ってやっている。駆除への理解が広がればいい」と話す。 ポレポレの丘は、景観を守り人を呼び込もうと、地元住民が荒廃地を整備して2005年に開園。約250種の植物が植わる。カフェ、テラスや野外ステージもあり、天気が良ければ伊那市街地や中央アルプスを望める。管理を手伝ううち、細やかに手入れを続ける住民らの姿に「『ずく』とはこういうことかと感じた」と半對屋さん。「こんなに良い場所があると知らせたい」との思いも強め、鹿祭りを企画した。 15日は、午前10時から半對屋さんが飼う羊「貫太郎」の毛刈り、昼すぎに鹿の解体がある。鹿の骨や皮を使った楽器、骨を釉薬(ゆうやく)にした陶器も並ぶ予定。テント持参可。夜はたき火を囲んで交流する。問い合わせは半對屋さんへメール(handuiya21@gmail.com)で。
2014年6月14日
転載元:http://www.shinmai.co.jp/news/20140614/KT140613GYI090007000.php