洞爺湖中島のシカ56頭に減、多様な駆除手法で成果[北海道]
洞爺湖中島エゾシカ対策協議会(会長・真屋敏春洞爺湖町長)が18日、町役場で開かれ、今年3月までの2カ年のエゾシカ集中駆除の成果を報告。中島のエゾシカはピーク時には400頭を超えていたが、複数の駆除手法を組み合わせたことにより、一気に56頭に減り、植生の回復も見られるようになった。
同協議会は洞爺湖、壮瞥両町、国、道、洞爺湖温泉観光協会などで構成。中島のエゾシカ管理計画に基づき、生息頭数50頭台を目標に間引き事業を実施してきたが、捕獲が難しく長く成果を得られないでいた。 今回の報告では忍び猟的狙撃、船による移動狙撃、待ち伏せ狙撃、囲いわな、くくりわな、ドロップネットといった駆除法を組み合わせ、「同じ手法の繰り返しによる捕獲効率の低下を防いだ成果」としている。環境省の研究事業を受託した酪農学園大学が主体となり、2012~13年度で実施した。 管理目標としてきた50頭台を達成したが、これを維持するには今後も年間十数頭の雌ジカ捕獲が必要としている。また、植生回復のための適正な生息頭数を判断するためのモニタリングを今後3年間実施し、これを踏まえて駆除費を含む新管理計画を策定する。 (伊藤教雄)