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大隅地域初のシカ食害 [鹿児島県]

 県は2013年度、鳥獣による農業被害の統計を開始(1984年度)して以来初めて、大隅地域でシカによる被害を確認した。霧島山地方や宮崎県境など県北の山間部で生息数が増え、一部が南下していると推測している。今後、被害が拡大する可能性があり、餌付けや、出荷しない規格外などの作物の放置をしないよう呼びかけている。(丸山一樹)

 県によると、大隅地域は大隅半島の曽於市以南を指す。12年度まで農業被害は確認されていなかったが、13年度に同市の飼料用トウモロコシ畑が食害に遭った。被害額は約42万円。

 大隅地域では南大隅町の森林、鹿児島湾(錦江湾)沿いの高隈山地にニホンジカが生息している。ただ、山里に下りて田畑を荒らす様子は確認されていない。

 このため、県自然保護課は「農業被害が多い霧島山地方面や宮崎県境から南下した可能性がある。頭数の増加や、人間による駆除から逃れてきたことが考えられる」と説明している。

 県内のシカによる農業被害は種子島、屋久島、県北が多く、サツマイモ、米、牧草などが食い荒らされている。13年度の鳥獣による農業被害額は4億4000万円で、うちシカによる被害額は約3割を占める。対策として同年度は1万2025頭を駆除したが、生息数の実態はつかみ切れていない。

 収穫後の作物を畑に放置すると、それを狙うシカが増える恐れがあるという。

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