高知市にジビエ料理専門店オープン[高知県]
野生鳥獣の肉を使ったジビエ料理の専門店が高知市内にオープンした。腕を振るうのは、県内の観光施設や料理コンテストで数々のシカ肉料理を開発してきた同市の西村直子さん(44)。西村さんは「肩ひじ張らず、仕事帰りに気軽にジビエが食べられる店にしたい」と話している。
ジビエ料理店「Nook’s(ヌックス) Kitchen(キッチン)」は、ひろめ市場にも近い高知市本町3丁目の高知本町郵便局そばで7月末に開店した。
毎日のように変わるメニューには、シカの塩たたきやジビエ中心の前菜盛り合わせ、イノシシの串焼きやローストなど、「おはしで食べられる家庭料理でたくさんの人にジビエを味わってほしい」という西村さんのこだわりが詰まった料理が並ぶ。シカやイノシシは、木の実などの良質なエサが豊富な県東部の室戸市や北川村の肉を主に使っているという。
20代から30代にかけてニュージーランドとオーストラリアに10年以上滞在し、現地のレストランで調理師として働いた経験からジビエに関心を持った西村さん。2008年に帰国し、香美市の宿泊施設や大豊町の観光施設でシカ肉料理などを考案してきた。11年の第2回土佐の食1グランプリでは、シカ肉のソーセージをパンにはさんだ「シカドッグ」でグランプリを獲得した。
山の木々や農作物などを食い荒らす被害が広がっていることから、近年は「害獣」としてクローズアップされることの多い野生のシカやイノシシ。だが、西村さんは「天然のエサを食べて育ったシカやイノシシは本当においしい。季節や個体、部位ごとの味の違いをおすし屋さんのように味わってほしい。いずれは外国人観光客がジビエを食べに高知へ来てくれるようになれば」と話す。
営業は木曜から土曜の週3日で、木・金曜は正午~午後2時(週替わりランチ。午後1時半ラストオーダー)と午後6~10時半。土曜は午後4~11時。10人以上で貸し切りもできる。問い合わせは西村さん(080・3920・7471)へ。(長田豊)