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[鳥獣害と闘う] 男だけに任せておけん 姉妹がイノシシ退治 大分県豊後大野市[大分県]

男だけに任せておけん、イノシシ退治――。こんな合言葉で害獣退治に奔走する農家姉妹がいる。大分県豊後大野市の田北たず子さん(62)、東藤さき代さん(58)だ。わな免許を取得して害獣捕獲から、と畜・解体、ジビエ(野生鳥獣肉)の普及に取り組む。姉妹がさばく肉は放血が良いと評判で、先輩の男性狩猟者からも「獣の生態を理解している」と一目置かれる存在。女性の狩猟仲間を増やし古里を守りたいと思いは熱い。 ・「女猟師の加工所」繁盛  姉妹がわな免許を取ったのは3年前。市内の病院に勤務していたが定年を迎えたのを機に、実家の裏山に自生するタケノコを出荷する計画を立てていた。しかし、イノシシの被害でタケノコが全滅したことがきっかけで、近所の狩猟者に誘われ、わな免許を取った。以来、先輩狩猟者と共に山に入り、獣の通り道やわなの仕掛け方などのポイントを習得、狩猟の技術を学んだ。  2年間でイノシシ約80頭を捕獲したが、悩んだのが活用法だ。肉を自家消費して、近所の人にお裾分けしても余ってしまう。そこで「命を奪った以上、食べることが大切」(田北さん)と考え、市や県に相談。助成を受けて1月、実家の敷地に加工所を造った。  名付けて「女猟師の加工所」。姉妹で捕獲したり、周辺の狩猟者から内臓付きで1キロ1000円で買い取ったりしたイノシシや鹿をと畜・解体し、肉として道の駅や農産物直売所、肉卸やレストランに出荷する。  命を生み出す女性ならではの視点から「内臓も含めてできるだけ多くを肉にしてあげることが供養につながる」(東藤さん)と、週の半分は捕獲や肉の解体と販売に充てる。半年間で約100頭を解体。売り上げは月7万~27万円と幅があり、安定経営が課題だ。  東藤さんは「狩猟はまだまだ男の世界。これだけ被害が増えたのだから、女性も里山の風景や田畑を守っていかなければならない」と地域の女性に狩猟免許の取得を勧める。  女性が免許を取得して効果を上げるための3カ条として、姉妹は(1)仲間2人で免許を取る(2)猟友会に入り先輩に教わる(3)師匠を決めて弟子入りし技を盗む――ことを挙げる。田北さんは「女性がペアで狩猟すれば、重い獣や箱わなだって運べる。励まし合えるので長続きする」と仲間が増えることを期待する。(尾原浩子)

 
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