地産地消の料理開発へ 美馬市など、雑穀やジビエを観光宿泊施設で提供 [徳島県]
美馬市と市内の宿泊施設、観光団体などが、地産地消メニューの開発に乗り出した。山間部で栽培されるヒエやキビなどの雑穀と、害獣駆除で得られるシカ肉やイノシシ肉などのジビエに着目。関係者でつくる検討委員会が来年1月をめどにレシピを完成させ、山の幸に恵まれた美馬市ならではのご当地グルメとして売り出す。 料理はブルーヴィラあなぶき(穴吹町)つるぎの湯・大桜(木屋平)などの公共観光宿泊施設で提供し、民間飲食店にも参加を呼び掛ける。 メニューの柱となる食材には、美馬市を含む県西部の傾斜地集落で栽培される雑穀を選んだ。雑穀は穴吹町渕名地区で数戸が主に自家消費用に栽培し、団子などの加工品も作っている。傾斜地での伝統農法の継承や発展にもつながるとみている。 もう一つの柱は、狩猟や駆除で得られた鳥獣肉を使ったジビエ料理だ。木屋平地区に駆除したシカなどの解体処理施設があり、ジビエの普及や消費拡大を進められる点からも、地産地消料理にふさわしいと判断。野生のイノシシやシカ、カモなどの肉は高タンパク、低カロリーで一部の食通に人気が高く、豊かな自然を求めて県西部を訪れる観光客の関心も呼びそうだ。 具体的なメニューや名称、食材の供給体制などについては、市観光協会や市商工会、観光宿泊施設の料理長ら13団体の代表らでつくる「地産地消メニュー開発検討委員会」で協議する。毎月1回程度開き、10月はジビエ、11月は雑穀について集中的に話し合う。 ご当地グルメはまちおこしの起爆剤として注目が集まっており、県内でも県南5市町が連携し、魚介類など地元食材を使った統一規格の「南阿波丼」を販売するなどの取り組みがある。