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食害:ジビエで減 イノシカ、チョー美味 若手ハンター養成、国が本腰

イノシシやシカが農作物を食い荒らす食害が深刻化し、国や自治体が捕獲数を増やそうと若手ハンターの養成や「狩猟ビジネス」への新規参入を促す取り組みを始めた。捕獲した鳥獣をジビエ(野生鳥獣肉)料理として普及させようという試みも広がっており、「狩り」と「食」の両面で生息数の減少を目指している。【藤田剛】

 農水省などによると、野生のイノシシやシカは過疎化や狩猟人口の減少の影響で増え続けている。山間地だけでなく都市部にも食害は拡大し、交通事故が起きたり、人が襲われたりすることもある。

 年間の捕獲数は1970年にイノシシが約6万頭、シカは約1万5000頭。自治体が積極的に駆除に乗り出したため、2011年にはイノシシが約39万頭(6倍)、シカは約42万頭(28倍)に増えた。しかし、生息数を減らすことはできていない。

 鳥獣による農作物の被害額は12年度で約230億円。10年前から200億円前後で推移するが、イノシシとシカによる被害が約8割を占めている。一方、環境省によると、70年に約53万人いた狩猟免許所持者は2011年に約20万人まで減った。高齢化が進む一方、免許を取得する若者が少ないのが原因だ。

 危機感を抱く自治体は若者の養成に乗り出している。兵庫県西播磨県民局は今年初めて「若手ハンター養成教室」を開催。21〜64歳の17人がシカの捕獲や解体を見学し、13人が銃猟免許を取得した。担当者は「ハンターは40年前の約2割に減り、65歳以上が半数を超える。このままでは食害を減らすことはできない」。長野県や宮城県もハンター養成学校や講座を開き、若者の取り込みに躍起だ。

 また、国は民間会社が捕獲事業に乗り出しやすくなる道を開いた。来春に施行される改正鳥獣保護法で、安全管理など一定の基準を満たした民間業者を都道府県が認定し、自治体の捕獲業務を委託しやすくする制度を盛り込んだ。

 環境省は「狩猟ビジネス」普及の好機ととらえ、15年度の予算要求に自治体の捕獲業務を支援する事業費20億円を新たに盛り込んだ。担当者は「警備会社、害虫駆除業者、環境コンサルタントなどが関心を持っている」と期待を寄せている。

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