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町の目玉はエゾシカ肉 加工品続々と 北海道陸別町 地域おこし協力隊・秋庭さん活躍[北海道]

ベーコン、しぐれ煮、ジャーキー……。北海道陸別町でエゾシカ肉を使った加工食品が続々と生まれている。“厄介者”のエゾシカ肉を有効活用し、町の目玉商品にしようと、地域おこし協力隊の秋庭智也さん(42)が中心となって取り組んでいる。味付けや包装のデザインなどは町内の主婦のアイデアも取り入れた。「陸別といえばエゾシカ、と言われるようになりたい」と秋庭さんは意気込む。

 東京都出身の秋庭さんは2012年10月、母親の出身地である道東の陸別町で地域おこし協力隊となった。これまで農産品の輸入や商品開発に携わってきた経験を生かし、地方の魅力を発掘したいと考えたからだ。

 目を付けたのがエゾシカ。同町では13年度、飼料用トウモロコシや牧草が食べられるなど、エゾシカの農業被害が約3600万円に上った。町の14年度の農業関連当初予算(8700万円)の4割に相当する額だ。捕獲された1035頭のうち半分は活用が進まず廃棄されていたことから、商品開発を手掛けることにした。

 開発したのは、ベーコンやしぐれ煮、精肉など8商品。13、14年度で次々に販売した。既存の商品も含め、町内で販売されるエゾシカ肉の商品は全12種類に増えた。これらは町内の道の駅の物産館に並び、14年度(12月まで)の売り上げは計710万円と、物産館の総売り上げの25%を占めるまでになった。年間で2300キロ(約100頭分)のエゾシカ肉を活用する予定だ。

 商品の開発は町ぐるみで取り組んできた。購買層の主婦を中心に味や包装デザインをチェックしてもらうなど、女性のアイデアを取り入れた。例えば人気商品の「りくべつ鹿ジャーキー」(1パック30グラム、500円)の味は、有機香辛料を効かせたスパイシーと、香辛料が少なめのマイルドの2種類だが、パッケージの色はオレンジやピンク、グリーンなど和風の4タイプを作成。選ぶ楽しさを演出した。

 肉は町内猟友会の「北日本ドゥリームハント」から仕入れ、町の施設などで加工。加工品は町振興公社が中心となって販売している。エゾシカ肉の商品開発により、ジャーキーだけで年間90日間、地元パートタイマー4、5人の雇用が生まれた。

 「町外に持って行ける土産品ができた意義は大きい」と同公社代表の金子信行さん(62)。同町も「町民の自信につながる」(産業振興課)と秋庭さんの取り組みを評価する。商品は全国発送もしている。問い合わせは同町観光物産館、(電)0156(27)2012。(山内希香)

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