「狩りガール」徳島大の女子学生5人が害獣駆除に奮闘 [徳島県]
徳島大の女子学生5人がイノシシやシカなど農作物を食い荒らす害獣の駆除に取り組み、狩猟技術の習得に励んでいる。周囲からの呼び名は「狩りガール」。狩猟の担い手が高齢化する中で、メンバーは「誰もが気楽にできることを証明し、農業を守る力になりたい」と意気込んでいる。
総合科学部の内藤直樹准教授(生態人類学)が「農家の自衛を手助けできる若い人材を育てたい」と昨年春に授業で募集したことがきっかけで、たまたま女子学生しか希望しなかった。
素人の5人が試みるのは、ワイヤロープを使って捕獲するわな猟。免許が必要なため、害獣の生態や、わなの作り方を授業で学び、週末などにはベテランハンターの指導を受け、わなを仕掛ける訓練も続けている。
狩りガールの一人、2年生の高橋優子さん(20)は野生鳥獣肉(ジビエ)料理に興味を持ち、参加を決めた。「危険なイメージがあったけど、体験してみたら面白かった」と笑顔を見せる。
山間部の訓練では、5人で唯一わな猟の免許を持つ3年生の生田千尋さん(21)を中心に、ワイヤロープで作った輪でイノシシやシカの足を捕らえる「くくりわな」を獣道に仕掛けるが、まだ成功したことはない。
5人は自分たちで駆除するとともに、農家にわなを無料で貸し出し、捕獲できた場合にわなを買い取ってもらう仕組みも考えている。
実家の畑が荒らされた経験がある生田さんは「害獣の行動を考え、先回りしてわなを仕掛けるのが奥深い。住民主体の害獣対策の一助になれば」と話している。