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半年で目標頭数達成 おり遠隔操作 猿、鹿を捕獲  [三重県]

三重県農業研究所は、遠隔操作で野生獣をおりに捕獲するシステム「まる三重ホカクン」を使い、伊賀市で約半年の間に鹿100頭、猿62頭を捕獲した。この地域での県の年間捕獲目標を達成する頭数だ。研究所の職員が、おりの様子をモニターで監視しながら、餌付けを担当する地元住民らと現地の様子を小まめに共有。捕獲の好機を逃さず、成果につなげた。

 このシステムは、同研究所が中心となり2012年に開発。おりの入り口付近を動物などが通るとセンサーが反応し、メールで管理者に通知される。管理者はパソコンでおりの映像を見ながら、中に害獣が入ったのを確かめ、遠隔操作で入り口を閉じて捕獲。その後、電気ショッカーなどで害獣を処理する流れだ。

 今回の実証試験では、伊賀市内で獣害が多発する10キロ×15キロのエリアを絞り、住民による害獣の目撃情報などを基にシステムを18基設置。県の特定鳥獣保護管理計画に基づいて捕獲目標を定めた。半年という短期間で目標達成したケースは初めてだという。

 成果を挙げたポイントは、管理者(研究所職員)と地元住民らとの情報共有だ。猿など、群れで行動する害獣は徐々におりに慣れ、中に入る頭数が日に日に増える傾向にある。捕獲頭数を最大にするタイミングを見極めるため今回、携帯電話で、管理者が住民らにモニターの画像を送信し、住民らもモニターに映らない猿の様子を伝えながら現状を共有。話し合いで捕獲のタイミングを決め、成功につなげた。

 今回の実証を踏まえ、同研究所では、管理者以外の複数のパソコンでも映像を確認できるようにし、映像を見ながらインターネット上で会話できる同システムの改良版の製作に乗り出した。

 同研究所の山端直人主幹研究員は「行政担当者ら管理者と地域住民との情報共有は、責任の共有、管理負担の分散につながり、成果が上がりやすい」と話している。15年度中には改良版を商品化したい考えだ。

 
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