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ニホンジカ被害 日光で意見交換 新たな捕獲法など紹介 [栃木県]


日光地域のニホンジカの被害対策を考える講演会が九日、日光総合会館(日光市安川町)で開かれた。国有林を管理する林野庁が開催した意見交換会で、行政や林業関係者のほか、狩猟者や自然保護関係者ら約百人が参加した。

 林野庁関東森林管理局(前橋市)は、二〇一三年度からシカ被害の多い県で講演会を始め、栃木県では初めて開催した。管理局によると、県内には約二万三千六百頭のシカが生息し、一〇年度には約三千三百四十八万円の農業被害があったという。

 講演会では、森林総合研究所の研究コーディネーターの小泉透氏が、「カリング」と呼ばれるシカ個体群を許容可能水準に維持する手段について言及。地域を定めて、成獣のメスから確実に捕獲する方法の有効性を訴えた。

 宇都宮大農学部の小金沢正昭教授は、一九九〇年代からの奥日光地域での急激な個体数増加に伴う森林生態系への影響を解説。狩猟などの人の手による管理には限界があるとし、オオカミの導入によって生態系の復元を図っている米国イエローストン国立公園の試みを紹介した。

 県林業センター特別研究員の丸山哲也氏は、日光地域で実験している、餌づけによって射手が待ち受ける場所に誘引する効率的な捕獲方法を説明した。

 こうしたシカ対策について、参加した自然保護関係者からは「シカの増加によって、奥日光の生態系はかなり荒廃している。山をよく知っている地元の人の意見を取り入れたり、自然保護に従事する人の待遇を改善して、管理する人材を確保するべきだ」などの意見が出された。 (石川徹也)

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