top of page

行政・政治 : 中央アルプスで鹿を初捕獲 食害対策検討へ [長野県]

南信森林管理署(伊那市)が昨年度中央アルプスに仕掛けたわなで、鹿1頭が捕獲されていたことが分かった。中アでは2013年度に標高2600メートル付近の高山帯で初めて鹿が確認されるなど、生息域の拡大による食害が懸念されているが、捕獲されたのは初めて。現時点では目立った被害は出ていないが、深刻な状況にならないよう対策を検討していく方針だ。

 同署は国有林や周辺地域での鹿の食害を防止するため、2007年度から職員による捕獲を開始した。11年度からは南アルプス、八ケ岳、霧ケ峰の3地域の協議会と協働で猟友会に委託したり、くくりわなの貸し出しを通じて捕獲を進めている。中アでは12年度からセンサーカメラによる調査を始めた。わなも設置していたが、これまで捕獲されたことはなかった。

 今回中アで捕獲されたのは体重80キロほどの雄。昨年10月22日に標高1040メートルの黒川林道沿いで同署職員が仕掛けたわなに掛かっているのが見つかった。わなを13年度の6カ所から30カ所に大幅に増やし、初の捕獲に成功した。センサーカメラを設置している場所の近くといい、鹿の通り道とみられている。

 一方、高山帯に設置したセンサーカメラでは13年10月に続き2年連続で鹿が確認されていたことも分かった。昨年10月5日午前2時30分ごろ、宝剣山荘から濃ケ池に通じる登山道で撮影された。若い雄とみられるが、角の形から前回撮影された鹿とは別の個体とみられるという。

 同署の松嶋克彰・森林技術指導官は「中アでの鹿の生息数はよく分かっていない。まだ目立った被害は出ていないが、南アや八ケ岳のような状況にならないよう早めに手を打っていく必要がある」と指摘。「データを蓄積して関係市町村にも情報を提供し、連携して対策に取り組んでいきたい」としている。

 中アでは今年度もセンサーカメラを高山帯に10台、亜高山帯に3台、麓に8台の計21台設置するとともに、捕獲も進めていく方針だ。

Featured Posts
最新記事
すべての記事
タグから検索
まだタグはありません。
Follow Us
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page