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シカ生息数抑制実施へ 県管理計画 高山帯侵入など防ぐ [富山県]


県内のニホンジカ生息数抑制を目指す「県ニホンジカ管理計画」が、二十九日から実施される。農林業被害の未然防止のほか、ライチョウがいる高山帯への侵入を防ぐのが狙い。捕獲頭数の増加を見据えて、捕獲後のジビエ料理としての活用に期待が高まるものの、処理方法が確立されていない課題もある。

 県の管理計画は、サル、イノシシ、ツキノワグマに続いて四種目。十一月十五日~二月十五日の現行の狩猟期間を六週間延長して県内すべての休猟区でニホンジカを狩猟できるようにし、一人一日一頭の捕獲制限も解除する。

 ニホンジカは全国的に増加傾向にあり、一九〇〇年代前半から生息が未確認だった県内でも、二〇〇四年度に三頭を確認。これまで農業被害の報告はないが、本年度の生息数は推定約四千頭で、管理計画がない場合は二三年度に約二万頭までに増えるとみられる。

 長野県では、ライチョウが生息する南アルプスの高山植物が食べ尽くされる被害が出ている。県内の高山帯でも同様の被害が及ぶ可能性もあり、ライチョウの生態系を守るため、被害がほぼない現時点での生息数抑制を決めた。県自然保護課の担当者は「増えてから抑制しても歯止めが効かない。草木の被害を減らすために、数が少ないときに抑えることが有効」と意義を訴える。

 ただ、被害や捕獲頭数の実績がまだ少ないため、県内では捕獲後の処理方法が決まっていない状況。ジビエ料理での活用も、農林被害が顕著なイノシシがほとんどで、県農村振興課の担当者は「被害が出ていない中で、活用先を見つけるのは難しい。今後は、捕獲状況に応じて活用先を探したい」と話す。 (広田和也)

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